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ペットを飼い始めたら~爬虫類編

外温動物(変温動物)である爬虫類・両生類は代謝による体温維持能力が低いため環境温度および湿度が直接生態の健康状態に影響を及ぼすことはご存知かとおもいます。
 野生での生活環境になるべく近くなるようにその種類の生息地の状況をある程度知っておく必要があります。 ここでいう生息地の状況というのは、中近東のアフガニスタンなどという原産地の地名のことではなく、乾燥した荒地に生息するか、比較的湿った森林に生息するかという生息環境の温度や湿度、樹上生活か地表生活か、水辺にいるのかということです。原産地名はマニアの方におまかせしてとりあえず知っておかなければならないのは生活環境です。
 昨今はネットや書籍で爬虫類関連の記載が多く見られるようになって大変便利となりましたが、逆にどれが正しいの?と思っている方も多いかとおもいます。実際爬虫類飼育をはじめてみるとわかりますが、これなら絶対OKというのはありません。というのはまず情報のなかでどれを取り入れどれを捨てるかという思考転換と想像力が爬虫類飼育ではもっとも大切な部分であり、もっとも難しい部分でもあります。
 先にアフガニスタンが例に出たのでそれを考えてみると「ヒョウモントカゲモドキ」というアフガン周辺産のトカゲがいます。現地は(筆者は実際いったことがないので本当かどうかは・・・。)日中50℃近くまで気温が上昇し、夜間は10℃以下まで気温が低下するらしい。(時期によってはもっと過酷かも)これを忠実に守らなければ飼えないというわけではないし、逆にこの通りにしたら数日で昇天してしまうのは確実です。それは、極端に暑い時間や低温の時間は地中や日陰で耐え忍び、朝夕の気温が安定している時間に活動をしているからです。要するにあえて過酷な条件を再現する必要はなく、生活に必要な環境のみを再現することが重要となります。
 そこで知っておかなければならないのは「温度勾配」と「昼夜の温度差」それに「ウインタークーリング」。
 「温度勾配」・・・飼育槽の中の温度差
    ホットスポット(保温電球の熱の直接当たる場所)下35℃
    中間部28℃
    ホットスポットから最も離れた場所25℃
    温度勾配は飼育槽が狭くなるほど調整が難しい。
    保温電球のW数・電球の高さによって調整。
 「昼夜の温度差」・・・昼間と夜の温度差をつけ、夜間に上昇した体温を幾分低下させ代謝を落とすことなり言ってみれば休憩時間。日中より5から10℃温度を下げる。ホットスポットを消灯することで設定する。(低下し過ぎる場合は補助ヒーター使用)
 「ウインタークーリング」・・・季節による温度変化すなわち飼育環境内で冬期をつくることで繁殖行動を誘発させるには極めて重要。
 爬虫類・両生類の入手ルートとしてCB個体(海外や国内のブリーダーや飼育者が繁殖させた個体)とWC個体(野生捕獲個体)があります。CBは、人間の作った環境にある程度慣れ適応している場合が多いので比較的飼育が楽ではありますが、WCより高価であることが多い。WCは野生個体であるため環境に適応する前に状態を崩しやすく、寄生虫の感染率も高いので注意が必要。購入後、検便は必ず受けましょう。CBより安価であるがただでさえ個体数が著しく少なくなりつつある爬虫類たちである。自信のない方はCBを購入することをおすすめする。決して見かけ重視でいきなり難しい種類に手を出さないように初心者向けの種類から飼育をはじめましょう。
 爬虫類飼育は犬猫とは考え方がまったく違います。それなりに飼い主を覚えるし、ベタなれで触られることに慣れている個体はいるとしても触られてよろこぶ動物ではない爬虫類はふれあい動物という意味で飼育するにはかけ離れています。飼い主の一方的なスキンシップよりも「見守る愛情」で十分な方しか向きません。

 

ガットローディング

昆虫食の動物を飼う上で大切な1つとして餌昆虫の栄養強化が挙げられます。動物が必要とするカルシウムは餌から摂取しなければなりません。さらに言及すると食餌中のカルシウムとリンの比率が2:1から1:1の割合で必要だと言われています。
 餌として与えられるコオロギやミルワーム、ジャイアントミルワーム、その他の昆虫類は簡単にいうと骨がないためカルシウムの含有量が著しく低く、逆にリンが多量に含まれている傾向があります。また、蛋白質などの体に必要な栄養成分も偏りや不足しがちになります。餌昆虫を買ってきてそのまま与えていたのでは動物たちがどんどん痩せていき、カルシウムの不足で骨の変形や運動障害、産卵障害などを誘発し死んでしまいます。
 そこでこれらの餌昆虫に餌を与えて栄養満点状態にして動物たちに食べさせてあげなければなりません。  餌昆虫は、幸いなことに雑食のものが多く、ドッグフードや野菜クズ、カメの餌の残りなどたいがいのものは食べてくれます。また昆虫専用フードも市販されているので試してみましょう。
 カルシウムの摂取量が十分であっても日光浴や紫外線灯の照射によって紫外線(特にUVB)を浴びないとビタミンD3が合成されず、カルシウムが吸収されないので日光浴をさせてあげましょう。

 

ヌマガメ(ミドリガメ・クサガメなど水陸両用カメ)

ヌマガメ(ミドリガメ・クサガメなど水陸両用カメ)

ヌマガメ(ミドリガメ・クサガメ・イシガメ・ドロガメ・ナガクビガメなど水陸両用カメ)
 比較的安価でホームセンターなどでも売られていることが多いため、不適切に飼育されているかわいそうな個体が目立ちます。安いカメ=飼育施設にお金をかけたくないというのはやめましょう。ミドリガメはかなり丈夫でそうそうなことでは状態を崩さないことがありますが、そのミドリガメが状態を崩すというのはそれだけ飼育管理に問題ありと認識してください。
 これらのカメは飼育施設に陸場と水場を作り、陸場にホットスポットを設置し、水中には熱帯魚用のヒーターをセットして下さい。水深は甲羅が完全に沈むくらいにします。水中にはろ過器は設置せず、こまめに水換えをしましょう。カメはろ過装置の処理能力以上に水を汚すので、一見浮遊ゴミがないのできれいな水に見えるため実際毒水に変わっていても掃除をしなくなるためです。
 カメは甲羅干しが大好きな種類が多く、体温上昇による代謝の活性と紫外線の吸収に重要な役割をします。陸場は必ず設置し、体全体が完全に乾燥できる場所をつくりましょう。

 

リクガメ(ホルスフィールドリクガメ、ケヅメリクガメ、ヒョウモンリクガメ)

リクガメ(ホルスフィールドリクガメ、ケヅメリクガメ、ヒョウモンリクガメ)

基本的には、乾燥した場所に生息するリクガメ(種類や大きさによってはある程度湿度が高い環境を好むものがいるため、詳しくは成書を参照)。梅雨から夏場の高温多湿期や冬場の低温期に特に状態を崩しやすいので環境の見直しが必要。夏場は高温多湿となるので、できるだけ湿気を逃がすということから高さの低い衣装ケースやランチュウ水槽、コンクリートを練るためのとろ船などが便利。冬場は温度をさげないようにやや深めの水槽などが適当だと思います。
 今では「リクガメ飼育の常識」の感がある温浴。洗面器やバケツに35~40℃のぬるま湯に甲羅の半分くらいがつかるように10~20分いれてあげることで水が飲めるし、何よりも腹部を暖めることで腸管の運動を活発にすることで便秘を防ぐということで週に1回は入れてあげましょう。断然元気になります。
 ただ、基本的に乾燥地帯のカメなので毎日は入れ過ぎ。温浴は知っているけど毎日入れているという方が多く、かえって入浴疲れや温浴後の湯冷めで状態を崩している個体がいるので控えめにしてください。
 温浴を開始するとしばらく動きまわることもありますがすぐに「おぅいい湯だ」と言わんばかりにゆったりしてきます。時間の目安はうんちが出るまで。排便が終わってまたもそもそ動きはじめたら終了。
 餌は、各種リクガメフードが便利ですが、野菜もしっかり与えてください。レタスやキャベツだけでは栄養に問題があるので、チンゲン菜、小松菜など緑黄色野菜をあげるようにする。
 最低でもホットスポットぐらいは設置して下さい。ホットスポット下は30~35℃。紫外線照射または、日光浴も忘れずに。

 

ヒョウモントカゲモドキなどの地上性ヤモリ

ヒョウモントカゲモドキなどの地上性ヤモリ

種類によって入荷状況がWCであったり、CBであったりするので購入時にしっかり餌付いているか確認しておきましょう。
 人工繁殖個体であるCBは比較的日本の環境とヒトに慣れている個体が多いため初心者の方はCB個体を、また入門種であるヒョウモントカゲモドキを選びトカゲ飼育の基礎固めをお勧めします。
 温度管理とビバリウムが用意できたら購入直後は、環境に慣れさせるため触ったり、ビバリウムをいじくりまわしたりせず体全体が入れるシェルター(隠れ家)は必ず設置しましょう。
 1・2匹コオロギを与えてみましょう。すぐに餌付く個体はとりあえず安心というところ。しばらく様子をみて食べる気配がなさそうならとりあえずコオロギは撤収。あまりはじめからコオロギをチョロチョロさせておくとコオロギを恐がったり、コオロギが生体にいたずらすることもあるので注意。
 購入時の状態と飼育環境と温度が適切であれば1週間くらい食べなくても死んでしまうことはありません。むしろ心配してのぞきすぎたりするのは逆効果なので時々水を水槽壁面にスプレーして水を飲ませてあげましょう。スプレーする水滴の量は1時間で乾く程度で十分です。(常設する水はペットボトルの蓋などを使用)
基本的に乾燥系のトカゲなのでくれぐれもびちょびちょにならないように。

 

ウーパールーパー(アホロートル)

基本的には、丈夫であるため購入直後の問題はほとんどないとおもいますが、夏場水温が上昇すると水中の容残酸素量が低下し、あのかわいいエラが小さくなってしまいます。
 ここでウーパーについて少し説明します。ウーパルーパーで有名ではありますが、実は愛称というか商品名で、本来はメキシコサラマンダーのネオテニー(アホロートル)というサンショウウオの仲間です。
 普通のサンショウウオは成体になると、幼生時に水中生活をするためのエラがだんだんなくなり陸上生活に適応していきますが、アホロートルはエラをもった幼児体形のまま繁殖が可能な成体になるものです。ですから水中で生活しにくくなるとエラがだんだんなくなり、空気呼吸に依存する傾向が強くなるため通常の魚と同じような水槽飼育環境では溺れてしまうことがありますので水温は20℃くらいに維持するようにしましょう。

 

ヒョウモントカゲモドキなどの地上性ヤモリ

ヒョウモントカゲモドキなどの地上性ヤモリ

先人たちの研究・努力の結果かつて「生きているだけで十分」と切花的にあつかわれてきたカメレオン飼育がここ近年随分と進歩してきているようだ。しかし、少なくとも爬虫類をまったく飼ったことのない初心者には長期飼育は不可能だと思って下さい。けして安易に飼育してはいけません。触るなどもってのほか!
 カメレオン飼育は、これまでの爬虫類編の総括もしくはそれ以上の難易度と苦労を実感させられる動物である。あえて言おう「究極の爬虫類」であると。
 なぜ究極かというと、種類にもよるが、まず環境設定が大変。湿度100%近くにしてなおかつ通気性をよくするなどめちゃくちゃな環境が必要なものもいる。
 カメレオン飼育の基本として「水の与え方」と「餌が飽きる」ということを知ってかなければならない。
 まず水に関しては、他のトカゲのように水入れにただ水を入れておいても気づかず脱水して死なせてしまう。カメレオンは一般的に水をたくさん飲む動物である。その水は動きがなくてはならない。点滴のようにぽたぽた水滴を垂らしておいたり、魚用のブクブクを使って水面を動かしておかなければならない。
 餌が飽きるというのも有名な話で他のトカゲは大抵生涯にわたってコオロギで飼えるが、カメレオンはいきなりコオロギを食べなくなる。栄養の偏りを本能的に感じるのかわからないがいきなり見向きもしなくなる。かといって食欲がないわけではなく、イモムシや小型の蝶、バッタなど色や形がかわるだけでバクバク食べる。かくいう筆者も夏場は「虫捕り網」持参で昆虫採集に走り回っている。
 いろいろ飼育困難なことばかり列記したが、筆者はけっしてカメレオンが嫌いなのではない。大好きなのだ。だから恥も外聞もなく虫捕りにもいくし当院で一番気を使っている。その覚悟と苦労をあえてやりたいというマニアの方のみ挑戦して下さい。
 難しいといわれるカメレオン飼育でCB化が進み、環境適応しやすく、他のカメレオンと比べて丈夫なエボシカメレオンをまず飼ってみて下さい。
一種徹底飼育講座に「エボシカメレオン」があります。カメレオン飼育の基本なので参考にして下さい。

 

魚類

魚類

魚を購入してきて最低限覚えておかなければならないのは温度ショックとpHショックの予防です。水槽の水換え時も同様に注意しましょう。
   温度ショックとは、購入してきた際魚の入った袋の水と新しく立ち上げた水槽の水の温度が極端に違うと魚がショック状態になりひどい場合には死なせてしまうことがあります。水温が1℃違うと魚の体感温度としては4℃の違いがあると言われています。ですから水温5℃違うということは魚には20℃の温度差があると感じているわけで変温動物である魚類には拷問のような状態になってしまいます。
 pHショックも同様で袋の水と水槽の水のpHがあまりにもかけ離れているとショック状態に陥ることです。一般に長期間水換えをしないと水槽水のpHは排泄物などの影響でどんどん酸性化していきます。ですから新しく水槽の水換えをするとpHの差が大きくなります。普通水道水はほぼpH7の中性のはずですが、マンション等の貯水タンクに貯められていた水は思ったよりアルカリ性になっておりさらにpHの差が生じてしまいます。
 これらのショックを予防するためには魚の入った袋を口を開けずに水槽に20分ほど浮かべておき、温度をあわせます。その後、袋の水を半分バケツに捨て、水槽の水を捨てた分だけ入れます。袋の口を軽く閉め再び水面に浮かべ20分おいて、また半分捨てるというのを2・3回繰り返すとより安心です。ここで注意しなければならないのは袋の水をなるべく水槽内へ入れないということです。これは、雑菌を水槽内へなるべく持ち込まないために重要です。
 熱帯魚の場合ヒーターを使用することが一般的であるためそれほど多くはありませんが、金魚や川魚などヒーターを用いることが少ない魚は梅雨の時期や秋口、冬期の室内飼育など一日の水温の変化が激しい時期には白点病などの病気がでやすいため注意が必要です。できればヒーターの設置をお勧めします。
 また、購入直後特に水槽を立ち上げたばかりの場合、水槽内のろ過バクテリアが安定していないため、一気に魚の数を増やすとか、餌の多給をすると水質の悪化をまねき魚を死なせてしまうこととなるので購入後1週間は極力餌を少なめに与えます。
 水槽のろ過装置は、エアレーション型(いわゆるブクブク)、底面式ろ過装置、上部ろ過装置、外部フィルター、オーバーフロー型と様々です。飼育する種類、飼育数、水草メイン水槽かなどで適当なものを選択しましょう。少なくともブクブクくらいは入れてあげないと特に夏場の高水温時は水中溶残酸素量が低下するのであっけなく酸欠で死んでしまいます。金魚すくいの金魚だからといって手抜きをしてはかわいそうです。

 

病気を持ち込まない

すべての魚に言えることですが、特に金魚ではショップで元気そうに見える個体でも環境の変化などによって潜在的な病原菌が発症してしまい、新しい金魚ばかりでなく、今まで飼育していた金魚まで病気に罹って、「バタバタと死んでいく」そんな経験ありませんか。それを防ぐには、
(1)信用できるショップで購入する。これは結構難しい。少なくとも同じ水槽の中に死んだものや、元気のないもの、体表に白点や充血している部分がないかチェックしましょう。見かけのかわいさだけに囚われないように。
(2)検疫をする。これがもっとも安全。金魚を新しく買って来てすでに飼育している金魚の水槽にはすぐに同居させず、別の水槽にエアレーションをして最低一週間様子をみて観察する。
 この際、水10リットルに塩50g(0.5%食塩水)を溶かして塩水浴させておく。この塩水浴は体調の悪い金魚には万能の方法となりますので何となく元気がないなどのときも試してみましょう。また、エルバージュという市販薬を規定量溶解した水で検疫期間飼育していく方法もおすすめです。
(3)毎日よく観察し、病気かな?と思ったらすぐに対応しましょう。また、餌の与え過ぎや、水質の悪化により、病気になりやすくなるので定期的に水換えをしましょう。